Poem

□見たのは。
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見たのは、この世界の終わりと始まりの境界線



僕はその線に沿って歩き出す





自分がどちらにいるのかも分からず、臆病な自分がその境界を超える勇気すらもないままに、歩き出す







今まで歩んできた道


終わりたくなくて、始まりたくなくて、ただただ歩いたらこの境界線にぶつかった






神様は、永遠を許さないのだろうか

自分だけの永遠を手に入れようとしているのだろうか


僕は生きたいわけでもない

どちらかといえば死にたいに属するのだろう






ああ、今日も空が青い


ここから見る空は格別だ

誰も他にいなくて、自分だけの望んだ世界のように思えてくる







必要のない人間

生きていても意味のない人間

死んでも気づかれない人間






僕は全てが当てはまってしまうのだろうか











分からない、存在理由が


分からない、生きるとはどういうことなんだろうか







フェンスを越えて、あちらへ飛び込む用意をする


深呼吸を、する







この下でアリのように動き回る何かがここにいるあたしに気づいているだろうか






いや、自分はそんなことどうでもいいのかもしれない










ああ、今終わりの境界に飛び込もうとしている


飛び込んだら、超えたら、全てが終わる










「ぅぁあっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」













目が開かなかった


最後くらい、醜いこの世界を目に焼き付けたかったのに




両手を広げて、終わりを受け入れる用意をする





僕は、始まることすら出来なかった人間










大事な何かを見つけられなかった人間



僕は精一杯生きられただろうか








次産まれてきたときは


何かに気づける人間でありたい







その何かに触れて、その何かを












目の前が真っ暗になった















僕は、境界を越えた

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