〜 Sky 〜
滝萩之介編
何をするでもなく、何を考えるでもなく、ただひたすらに。
果ての無い天を、見上げていた。
背中には愛しい人の温もりがあって、なんてことのないふつうのひと時。
自然とこぼれる笑み。
こんなとき、思う。
ああ、幸せだなぁ。って。
梅雨の合間の、わずかな晴れの日のコト。
「きもちいーねー、はぎぃ」
「そうだねー」
「寝てしまいそう…」
「このまま、どこかに行ってしまおうか?」
「……そだねー」
「僕ら二人だけの世界に」
「…ねえ萩之介、お昼寝しようか」
「へ?」
「二人だけの、眠りの世界へ」
「……。お供致しますよ、お姫様」
「ふふ」
「なに?」
「んーん?幸せだなあって」
「…うん。幸せだ」
梅雨の合間の、晴れの日のコト。
なんてことのない、ふつうのひと時。
それが私たちの、幸せ。
きれいなきれいな蒼穹の天に、静かにとけて、世界に広がってゆく。
同ジ空ノモトデ
Side...Haginosuke’sヒロイン