怪獣書堂
□"G"の呪い
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「GPSも動かない……」
一面を砂漠に囲まれた大地を数人の男女が彷徨い歩いていた。
「この近辺は何の影響かはわからないが衛星でも何があるかわからないそうだ。……逆に我々はここが何処であるのかを知ることが出来るが」
「本当に存在するのか? ……この世を支配する程の力というものが」
一人の男が一行を先導する老人に聞いた。勿論、彼がその確たるものがない事は知っていた。
「わからない。一説には聖剣エクスカリバー伝説の起因となったものとも言われている」
「ここはエジプトですが?」
「如何なる伝説も、その始まりは口伝だ。……伝わった地でその地の伝承と融合する事は多い。日本という国には、キリスト教を弾圧した時代があり、その影響からアジアの仏教や神教と習合したものがある。ここの魔都に纏わる伝説も同じで、……ここが起点だ」
「その言葉、信用しますよ」
男は老人に言った。
その時、老人の足が止まった。小高い丘になっている頂上に立った老人は、眼前に現れたピラミッドを見ていた。
「見つけた……世紀の発見だ」
「あそこに、呪われた聖剣が……」
「な、なんだ!」
「あれは!」
皆がピラミッドの形をした幻の遺跡、魔都に目を奪われていると、一人が空を指差した。
「怪物だぁ!」
男は叫んだ。それは、シンドバッドの物語に出てくる様な巨大なコンドルであった。