怪獣書堂
□ゴジラ対キングギドラ
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【二つの愛情】
「全く、私はもうこんな子どもっぽい映画は見ないわよ。
………でも、仕方ないか。じゃあお父さんと一緒に、ゴジラを見に行ってあげる!
………映画館の前で待ち合わせね。遅れないでよ!
………じゃ、いってきまーす!」
鞍馬達郎は、娘の最後となるその後姿をいつまでも、いつまでも見送り続けていた。
「……またこの夢か」
目を覚ました達郎は、気だるそうにベッドから身を起すと、サイドテーブルに置かれた写真を手に取る。
「由実………」
達郎は、写真に写る娘の名を呟くと、一人薄暗い室内で何度目かもわからない涙を流した。