□二人の気持ち
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「コウ、遊ぼうよ」
告白したのは俺の方で、
「うん、いいよ」
笑顔で返してくれたのがアイツの方だった。

【二人の気持ち】

夏休みも終わり間近。俺とコウは川に遊びに行った。
ふざけて水掛け合ったり、魚を追っかけたり。暑い空気やべたつく肌を一新する冷たさに、俺たちは夢中になった。


「ケイ、アイス買って来たよ」
木陰で休んでいた俺の所に、アイスキャンディーとジュースを一本づつ持ったコウが帰って来た。
「ありがと、」

コウは俺よりいくつか年上だ。近所に住んでて、俺の家庭教師をしてくれてる。
『俺、変なんだ。男なのに…コウが好きなんだ』
そう俺が泣きながら告白した時も、笑顔で抱き締めてくれた。
優しくて、カッコいい、俺の好きな人だ。


俺はコウが買って来たアイスキャンディーを頬張った。売店は川から少し遠いから、アイスは少し溶けかかっていた。けど冷たくて甘いそれは、内側の暑さを流してくれる。
「美味しい?」
隣に座るコウが訊いて来る。俺は頷いて、その甘さを味わった。
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