□B
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「大丈夫かよ…ほら、」
及川は親切にも膝の上にティッシュ、ベッドの脇にゴミ箱を置いてくれた。紳士かお前は。
「うぅっーー……」
僕はそんな紳士を前にして嘘の一つも吐けず、ただ鼻をかむだけ。
情けないが、関連する事を思うだけで駄目だった。完全なトラウマになってるらしい。
「相当嫌みたいだな、話すの」
及川が僕の前髪に触れる。散髪代をがめて切るのを怠っているから、目の中に入るし邪魔でしょうがない。まあ自業自得です。
「誰かになんかされたんだろ?」
及川の言葉にまた涙が出る。体中の水分が足りてるのか心配だ。

「誰だよ…俺の啓太に手ぇ出すなんて…」
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