□A
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「こっち見ろよ」
無理矢理不良と顔を合わせられる。全体的にぼやけているから、表情は分からないが、多分怒ってる。顔をそらしていたからかな。短気過ぎて手に負えませんが。
「暴れんなよ?」
しがない一学生の僕には抵抗すら許されないのですね、わかります。そう思いながら、半分涙目の僕は気付いた。
不良の顔がはっきりと見えてきてる。
『ここにきてついに覚醒!?これが真の僕なのか!にしても不思議だ…裸眼なのに不良の顔がはっきり見える。よく見るとイケメンだ。全く、神様の振り分け方はヘタクソだな。不平等にも程が……』
「んぅっ!?」
違う。僕の真の能力が覚醒したんじゃない。第一そんなもの僕には無い。あるとしたら単なる中二病だ。

当たり前の事を考える。不良が僕に近付いていたんだ。しかも、
「ーー!」

キスをされたのだ。
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