文
□青春を君に
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重ねたら、もっと熱い?
【青春を君に】
靴の中にある砂みたいだ。神経に触れる度、イヤに気になって仕方が無い。
全校朝会で斜め前に並んでいるあいつとは、他クラスの女子を挟んだ、もどかしい距離を保ってる。
あいつは知らないだろうけど、後ろの奴と話す時、必ずこっちに顔を向けてる。その度俺は見つめてしまってる眼を合わさない様、わざとらしく顔を背ける。
このじれったい距離が、俺を酸素が足らない体にする。
苦しくってたまらないんだ。
―――なんで、あいつの事好きになっちゃったんだろう。
同じクラスにすらなった事無いのに好きなんて、おかしいかもしれない。
でも行事や全校朝会で見掛けるだけのあいつは、社交的でカッコよく見えた。
そこらにいる男子学生だって考えても、俺には間違なく特別に見えた。