過去夢4

□日吉
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年上彼女と日吉くんの誕生日


2012年12月6日


『そっか、若くんの誕生日か。』


帰り道を歩いていたら
急に聞き覚えのある声がした


『あ、お帰りなさい
急にごめんね。』


そう言って微笑む顔は
昔からずっと変わらない
彼女は近所に住んでいる
姉のような存在だった


「誕生日が
どうかしたんですか?」

『さっきお母様に会ってね
お料理はりきってつくらなきゃ
って言ってたから。』

「誕生日だからって
別に特別なことなんて
ありませんよ…」

『あるでしょ?』

「ありませんね。」

『ふーん…』


急に黙ったかと思えば
いつの間にか距離を縮めた彼女が

何故か俺の頬にキスをした


『誕生日プレゼント!
今年は少し特別になった?
…なんてね。』

「…。」

『誕生日おめでと!
じゃあ、またね。』


寒いせいなのか
少し頬を紅潮させながら
綺麗に微笑んだ彼女が去っていく
特別すぎる誕生日
あの人は気づいていないんだろう
俺は…


『若くーん
今度改めてプレゼントもってくから
楽しみにしててねーっ!』


遠くで手を振っている
プレゼントなんていらない
会いに来てくれるだけで
俺は、あなたが好きなんですよ
昔からずっと…



happy birthday!



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