卒業 -episode RIKKAI-

□夢じゃないから(仁王END)
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卒業式のあと
雅に気持ちを伝えられないまま
今日を迎えた。

今、私は空港にいる。
飛行機に乗ったら
次いつここにくるのかは
わからない。



ため息がでるのは
伝えなかった後悔…?
大好きだった人の名を
口に出してみる。

『雅…。』



「…呼んだか?」

『えっ?』

振り返ると、そこには
いるハズのない雅がいた。

『どうして…?』

「ちょっと、お前さんに
聞きたいことがあっての。」

『私に?』

「なぁ、奈々
…俺のこと、好きか?」

『え…』

「俺は
奈々が好きじゃ。」

『雅…』

答えはでてるのに
うまく言葉がでてこなくて

『雅…ありがとう。
ここまで来てくれて…
好きで…いて…くれて。』

「奈々。」

『ん…』

空港にいるってことを
一瞬忘れるほどの
優しいキス。

『雅…!!』

「忘れられなくなったじゃろ?」

何もなくたって
忘れたりしないのに。

そう思いながらも…

『…大好き。』

夢じゃないって
確かめたくて
もう一度目を閉じた。



Fin
.
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