卒業 -episode RIKKAI-

□君に告白(赤也END)
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卒業式の日。


「奈々先輩っ!」

『あかや〜』

「泣きすぎっすよ先輩。
…目、真っ赤。」

『今日はいいの…』

「…仕方ないっスね。」

赤也は笑った。
そして…

「…先輩、ちょっと話したいんですけど
いいですか?」

『ん?…うん。』

やってきたのは
ちょっと静かな校舎裏。

「…このあたりでいいか。」

『どしたの赤也〜?』

「…なんか
酔っ払いみたいっスね。」

『酔ってないよ?』

「当たり前…って
そうじゃなくて…。」

『ん?』

「奈々先輩に
いつか言おうって
思ってたことがあって。」

『…うん。』

「先輩がいなくなるって知って
それでも、言うタイミングが
なかったっていうか…」

赤也が聞きたいことは
わかっている。

「本当…なんスよね?」

『…本当だよ。
ごめんね、黙ってて。』

「…。」

『赤也…?』

「奈々先輩。
…………です。」

『…え?』

「いや…あの、コレ…」

赤也が花束を差し出した。

『これ、赤也が…?』

「まぁ…。」

『…ありがとう。』

「卒業おめでと、先輩。」



笑顔を見せる赤也。

やっぱり
…………好き。



『私、赤也のこと好き。』
「俺、奈々先輩が好きです。」

え?

今………

目の前の赤也も
驚いているみたい。
聞き間違いなんかじゃ
ないよね?

「…俺の卒業までにしたいこと
もう叶いそうっスね。」

『え…?』

「奈々先輩と
こうして学校から帰ること。」



赤也と手をつないで
帰り道を歩き出す。

『赤也…大好き。』

「俺も…」

急に立ち止まった赤也が
私の手を引っ張ると
その勢いで赤也に抱き締められた。

「絶対、会いに行きますから。」

『…うん。
赤也……大好き。』



Fin
.
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