03/11の日記

23:27
VRと兄貴(蝙蝠猫+フリーウィル)
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※「ひとにやさしく」のヒロさんとVRで遊んだので。

ディーンは、ブルースに呼ばれてやってきた彼の部屋で、色々なケーブルとヘッドセット類を前に、目を輝かせていた。

「VRバットマン?バッツになれるゲーム?」
「そう。今ゴッサムで流行のフルダイブゲームなんだ。と言っても開発元はウェイン社で、」

「早く電源入れて」
「さてはマニュアルを読まないタイプだね?」

ディーンが大ぶりのヘッドギアを装着すると、たちまちブルースの部屋がゴッサムの摩天楼へ変化していった。それは真にリアルなバーチャル映像で、確かに今、部屋という屋内にいるはずなのに、夜風を受けながら高層ビルのはるか高みに立っている気にさせるのであった。

「うおー!スゲー!ヤバイ!」

ディーンは、足をぷるぷるふるわせながら、どこかの屋根のガーゴイル像の上に立った(気になっている)。自分の腕や足に装着されている装甲を眺めまわし、地面の水たまりに映る自分の顔についたバットマンのマスクを見た。色々と撫でてみたり動かしてみたりと大はしゃぎ。
それを微笑ましく見ながら、ブルースもヘッドギアへ手をかけ——、

「良心は、痛まないのですか」

そんなアルフレッドの声に振り返った。アルフレッドは操作パネルに表示された、ディーンの位置にある「暴漢(バットマン・スキン)」の文字と、ブルースのヘッドセットに設定された「バットマン」の文字を見比べ、もう一度何か言いたそうに、目線をブルースにやった。そしてブルースは、すがすがしい程の満面の笑顔で返した。

「痛まない!今とても楽しい!!」


〜以下、その日のアルフレッドの業務日誌より抜粋〜

『そういうわけで、その後の坊ちゃまはゲームという名目でウェインチェスター様の体に触り放題やりたい放題した。

坊ちゃまは、あの方がゲームの主旨を把握せずにスタートするだろうと判っていた上で罠にはめたのである。

あのゲームは正確に言えばケイドロゲームであり、また、自分が「バットマンの姿をしている暴漢」に設定されていた。

その事を知っていたならば、ウィンチェスター様はあのように混乱し、取り乱す事もなかっただろう。

暴漢を捕まえるというシステムに従って、坊ちゃまは彼の体を撫でくりまわし…いや、あの方の尊厳にかかわりそうなので、詳細表記はやめる事にする。私はハードなAVでも見てしまった気持ちになったとだけ、ここに記す。

とにかく、その後におこった出来事についてはここに記すまでもないかもしれないが、数十分後、やっと事態を把握した彼はものすごい罵倒と共に暴れまくった。本気でゲームに期待していたようで、半ば涙目で坊ちゃまを正座させ、声と肩を震わせながら説教する姿にさすがの我が主も反省したのか、

「騙してすまなかったね、ディーン。でも僕は君に触りたかった。それを謝るつもりはないし後悔もない。むしろもっと触りたい。だから今度は、僕が暴漢役になるから、君が僕を触ればいいよ。そしてまた交代だ。これならイーブン」

と殊勝に語った。

次の瞬間、飛んできた拳によって坊ちゃまは3メートル程、宙を舞った。

私の主は人の心がわからない。


〜おまけ・フリーウィルのVR〜

サム「VR・ディーン?誰が作ったの、そんな素晴らしいもの。ノーベル平和賞を個人的に授与します」
キャス「メタトロンが、天界の技術班にこっそり作らせていたようで、隠し持っていたのを没収したんだ。人工AIのようなものだ。色々な会話や反応を本人さながらに模倣してくれる。悪用されたら危険なので天界で保管する」

サム「そうだねその方がいいよでも保管するのは一度試させてもらってからね」(ヘッドギアを装着しながら)
キャス「あっ、」

サム「! うわあ、ホントだ!ホントにディーンが目の前に出てきた!すごい、本物みたいだ撫でまわそう」

VRディーン『誰だ、俺の尻を揉んでんのは』

サム「ディーン、僕だ、」

VRディーン『キャス、さっき言っただろ、抱きついたり触ろうとすんのは構わねえけど、俺は立体映像だ。現実世界で他のヤツに見られたらお前、変な行動してるだけだって。それでもいいからって言ってたが、いくら俺だって甘ったるい言葉をモノホンに言う練習を何時間も相手させられるといい加減、……あ?サムじゃん何やってんの』

サム(ヘッドギアを外しながら)「……カスティエルさん、お話があります。あっ、いない!」



※その数秒後に装置も全部こつぜんと消えてサム激おこ。

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