BatCat

□先んずれば猫を制す?
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ディーンは首をひねっていた。

月に一度、多い時には数回は会いにくる友人に対してどうにも納得がいかない。

どこへ移動しても自分の場所を探し当てて訪ねてくる。今日もふらりとやってきて、待ち合わせでもしていたかのように何でもない顔をするのだ。

出くわした公園でベンチに座っていたディーンは、横で微笑む御曹司の顔をまじまじと眺めた。

「だから何で俺がここにいるって判った?」
「さあ、どうしてだろう」

「しかも俺が単独行動してるとこにピンポイントで」
「運命に導かれてって言えば恰好がつくかもしれないけど、数少ない友人にかまってほしくて必死なんだと言っておけば、君も僕の事少しは考えてくれるかな」

薄く開いた唇から囁かれる甘い呟きに、ディーンは目を瞬かせる。

「定期的に電話するくらい考えてるだろ。でもお前疲れた顔してるな」
「そうかな?確かに少し忙しかったけど。ちょっと世界を救ってきたよ、『彼』と一緒に」

そう言った途端、ブルースは突然胸倉を掴まれてディーンの膝に押しつけられた。

膝の上から見上げれば、むくれた顔が見下ろしていた。
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