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□Bitter?
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「何をしているんだ、ディーン」

机の上に調理器具を広げてぐったり倒れ伏している彼の髪を撫でた。

「…………別に何でもいいだろ、放っとけ」
「そうか」

そのまま黙って見ているとふいに彼が顔を上げ、

「お前の愛は甘すぎる」

と、唐突に言った。

一切の毒が無く、含みも無い甘さは、彼にとって何よりも毒なのだという。

「砂糖だって最近じゃ、カロリーオフが主流なんだぜ」
「何が言いたいのか、よく判らない」

「お前は俺に献身的すぎるって事。もうちょい、俺以外にも興味を向けてみろって」

彼の望む愛とはなんなのだろうか。

何度考えても難しくて判らないんだ。

私が、私の持ちえる全てを捧げようとすると逃げようとする。

むしろ裏切られた方が安堵するとでも言いたげな素振りで。

それを知っている上でなお離れられないのが苦しいのに彼は私の想いを知らない。

「……何度言えば安心するのか判らないから、繰り返し言い含めるが君以外に興味がわかない」

どうやっても淡々としか言えない自分に落胆しながらそう告げると、彼は唸る。

「…君が気に病む事ではない。私が勝手に慕っているだけで、君からも同じだけ私を気にかけてほしいだなんて思ってはいないつもりだ」

そう告げると、何故か彼は不機嫌な顔で机から起き上がった。

「なんか、その言い方だと俺がお前の事、全然気にかけてないって言いたいみたいじゃん」
「実際、そのとおりだが」
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