SPN

□I'm on cloud 9(S/D)
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『やる時はやる』、『料理がうまい』、『家族(弟)想い』、『空気読まないふりして気配りできるとこ』。

見つけた紙片を卓上に並べ、エッグを詰めた頬をもごもごさせながらディーンは腕を組んだ。褒めるなら素直に褒めればいいものを、何故こう、妙に趣向を凝らすのか。

「お前、俺だからいいがこんなもん、女の子にやったらドン引き」
「ディーンにしかやらないよ、こんな事」

サムはすっかりくつろいだ様子で、自分のベッドに寝転んでいる。

「例えばこれで十個目のイースターエッグの中身が指輪とかでサプライズのつもりだったらマリア様でも助走をつけて十回殴るレベル」
「それはBプランだったんだけど、」

「マジかよお前。ディーン様でも助走つけて十回殴ってたぞ、あやうく」
「うん、ディーンが指輪をチョコと一緒に食べて喉に詰まらせ、緊急搬送されるビジュアルが明確に想像できたからやめたんだよ」

「はったおすぞ」
「チョコレートエッグにするんじゃなかったな……さっきから見つけるたびに食べてるし……そうでした、僕の兄は意地汚いのでした」

投げ飛ばしてやった枕の下に、六個目のたまごを発見して開く。『顔と身体がいい』と書かれた紙片を思わず放り投げそうになったディーンに、

「はい、三十分経過」

素早く寄ってきたサムは、問答無用で上着を羽織らせた。ふわふわの羽毛のようなそれは、素肌に少しこそばゆい。

「パンツくれや」
「タオル巻いてるからいいじゃないか。あと三十分したらタオルも没収するからね。なんとこのルームウェア、ショートパンツのおしり部分には、うさしっぽがついています。楽しみだね」

「いっそ殺してくれ……」
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