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□Castiel‘sReturnSongsxxx(サンプル)
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Track1.


ある時、「なあ、恩寵ってチャージするにはどうすんの? 他の天使の恩寵を奪う以外で何かあんの」と君に聞かれた事があった。

「時間の経過や休息により回復する」

私が答えると、

「それが待てない時は? 例えば力の使い過ぎでお前がぐったりの時があるじゃん。そんな時にさ、急速チャージする方法ってないのか? 知ってたら何とかできる事態もあるかもだろ」
「そうだな……聞いた話では、守護天使は守護対象と粘膜の接触をする事で一時的に回復する事があるという」

「……何て?」

「自らに関連するこちらの物を取り込む事で物理的に己を地上に引き止める力の元となる。守護対象は大抵人界の生きものだから、」
「御託はいいんだよ、簡単に言えよ。じゃあ、何? お前のパワーをどうこうしたい時は、キスとかすればいいわけ?」
「理論上は」

「でも特に変わった感じはなかったぞ!その、お前とキスした時、とか」

「恐らく、私が君とのキスを供給だと意識して接触していなかったからだろう。君から「吸い上げ、供給してもらう」と私が念じれば補給はされるかもしれないな。だが一時的だ。器を通す事になるから非効率的な手段だと言った。余程の緊急時でなければ、その手段をとる事はないだろう」

その時の私は何も考えず、そんな事を言ってこの話はおしまいになったが、あとで聞いた話によると、こういう事を言うと「フラグ」というものが立ってしまうらしい。「余程の緊急事態」は、それから一週間後に起きたのだった。
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