SPN
□破滅的で、魅惑的なその一言(ノヴァスミ)
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「何!?相手は女じゃなかったのか?」
仕事終わりにベニーに今日の出来事を話すと、大いに驚かれた。
「俺はてっきり、年上の積極的なマダムあたりを想像していたが……男相手に効いたか、あのセリフ」
「効いたって何が? とにかく、二人きりで困った時に、相手に近寄ってああ言えって君が言うから、そうしたのに!」
怒るディーンにコーヒーをサービスしながら、ベニーは笑った。
「ただ、その後は大分、大人しくなってた、かな?」
首を傾げるディーンを前に、ベニーはまだ見ぬ誰かに同情した。普通にしていても充分、女を惹きつけるのだ。男でも、たちまち参ってしまうだろう。
「そう思うと、結果的にはオーライなのか? ありがとうって言うべきなのかな、ベニー」
無邪気に笑う姿を見ながら、ベニーは言った。
「逆効果じゃなければ、いいんだが」
つづく……?