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man friday没ネタと蝙蝠猫ver(ショタにき)
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※「man friday」に入れようか悩んでカットしたネタと、ショタ兄貴と坊verです
〜未読でもよく判るあらすじ〜
俺は高校生探偵、ディーン。幼馴染で同級生のサムと遊園地へ遊びに行って黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した。取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった。
俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら体が縮んでしまっていた!見た目は子供、頭脳は兄貴(ry
・実は、やってた事(キャス視点)
「ディーン、何をやっているんだ」
サムお手製の食事を終えたディーンは、何かをお絵かきしていたかと思えば、そのうちサムが買い与えたピコピコ鳴る靴を鳴らしながら、外へ出ていった。
慌てて追いかければ、道のガードレールに座り、目を閉じて両手を突き出している(テディベアのような愛らしさがあった)
「いましかできないこと」
聞けばそんな事を言いながら、体の前で紙を振る。彼の筆跡で書かれているのは『フリーハグ』。
「らぶいずおーばー」
知っている。確か、ハグをする事で愛やら人の温かみを感じ、希望や癒しを互いに与え合う人間の運動である。
「確かに今の君がもたらす効果は凄まじいものに違いない。キューピッドもひれ伏し、地球は愛で満たされる。君は素晴らしい事を考える……疲れも吹き飛ぶだろう」
「おい、なんだ?りょうてひろげて。くんな」
しかし、広げた両手はぺちんと叩き落された。
「何故だ」
「よのなか、そんなうまくいかない」
よく見ろ、と突き出された紙には小さく「おんなのこげんてい、おとこはだめ」の文字が……。
「フリーとは一体」
語源、そして意味を今一度、彼は考えるべき。
「いましかできない!いましか!」
ふんすふんすと鼻息も荒く、彼が拳を握りしめ訴えている。仕方がないのでその横に立ち、懐にあったメモをちぎり、文字を書いて私も掲げた。
「なにしてんの」
「君と同じことを」
メモを彼に見せると怪訝な顔をされた。書いた文字はこうだ。「フリーハグ(ただし、ディーンは除く)」
明らかにムッとした表情で睨む彼。
「フリーっていわないじゃん」
「君こそ」
むーっとした顔でしばらく横に座っていたが、そのうち、通行人の女性が、並ぶ幼児と男に首を傾げ、私に寄ってこようとした時、
「だめー!」
突如、彼が私によじ登り、メモごと私を押えこんだ。
「みせじまい!あいは、ゆうりょうになった!」
ぎゅーっと私の胸の前で、彼が必死な形相でそんな事を言って、女性は笑いながら去っていった。
「有料だったか」
「キャスのくせに、なまいき!おれのこと、なかまはずれにするなんて!」
「そうだな、すまなかった」
ぎゅっと抱きしめた後、
「では君のフリーハグは?」
「…………おんなのこだけだけど、おまえはとくべつ、ゆるす」
そうか、ありがとうと言いながら、私は彼を早々に連れ帰ることにした。女性の服を手に、決意した表情で走ってくるサムが見えたので。