Project&Request

□Sweet!
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「美味しい?僕にもちょうだい」
「何で全部投入したんだよ宝探しじゃねぇんだぞ」

両手にフォークを持ちながら中をつっつき、時々サムの口にも運んでやりながらひたすら口を動かす事に集中。

美味いんだけど、とにもかくにも口の中が甘い…。

「ディーン、頬袋にいくつ入れてるの?すごいほっぺた」
「言ってないでお前も食えよ!」

「言われなくても食べる気満々だ」

そう言うと顎を俺の頭に乗せながら、笑った。

「言っただろ、ディーンの型どりがしたいんだって。今のディーンは体じゅうからチョコとブランデーのいい匂いがする」

ハッとして鏡を見れば、チョコにくるまれた腕を掲げてこっちを見返す俺と、その頭の上でニヤニヤしている弟の姿があった。

「トラップ!?馬鹿な!チョコ獲りがチョコになっちまうなんて…」

「ミイラ盗りがミイラって言いたいの?まあ、僕もチョコだらけになる両刃の罠なんだけどね。遠慮しないで僕の事もぺろぺろしていいんだよ」

じたばたしてみたけど押さえこまれて、ひょいっと体を反転させられた。

対面で満足そうなサムが俺の唇に指でチョコを塗る。

そしてゆっくり目元を和らげると、顔を近づけながら言った。

「いただきます」

ニヤニヤしすぎて顔まで溶けてきてる弟には、もう何をしても抵抗できない気がする。

せめて形を整えてやろうと、両手でパン生地こねるみたいにこねてやったが、チョコだらけでとろけたその顔はなかなか元のようには固まらなかったのだった。
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