Project&Request

□Sweet!
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「ねえ、僕はディーンの全身にチョコを塗って、型どりして、等身大のディーンチョコが食べたいんだけど」

「……その点、トッポはすげえよな。最後までチョコたっぷりだもん……」

聞いてよ!とわめきながら肩を揺さぶるので、目を逸らしていたら浴槽のふちに袋を見つけて引っ張り上げた。


「なにこれ。袋いっぱいのマシュマロと…果物?」
「チョコレート・フォンデュやるに決まってるじゃないか」

背後から伸びた手によって袋はひっくり返されて代わりにフォークを握らされる。

落下した白やら赤やら黄色の具材でたちまち茶色の海が彩られた。

しかも、それを追ってブランデーまで投入。

「なんて勿体ない使い方だ…一瓶も何で入れた…何で俺にくれずに入れた!」

渦巻いてアルコールはたちまち溶けていく。

「これは香りづけ。ほら、早く食べないと固まっちゃうよ。あーん」
「むぐ…」

くるくると器用に手首だけでチョコを巻きつけたマシュマロを、俺の口にどんどん入れてくるので、弟に呆れてみる暇もない。

確かに、時間が経つにつれてちょっと固まってきているようだ。
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