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□Sad clown〜No trick No life!〜(TD)
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「しんどくないか?別に営業スマイルなんか俺は要求してないんだから、普通にしろよ」
「何を言われてるのかよく判らないな。これが私のデフォルトだ」

「嘘つけよ。いっつも余裕かました上っ面しやがって。『わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます』とでも言いそうなツラでまとわりつくな」

看破した声は審判の剣。
彼は決して馬鹿ではない。もしかしたらあの聡明な弟よりも、実は鋭いのかもしれない。

「君こそ、ヨハネの福音書をさらっと言えるとは意外じゃないか」

「サムが言ってたのを聞いただけだ。俺は読んでない…っていうか、お前だって聖書知ってるんだ?へぇ、親父とか兄弟とか関係ねぇとか言ってたような気がしてたが興味はあるんだな」

しれっと返されて、先にキレたのは「俺」だった。

「それじゃあ言うが、俺はお前の事が嫌いだよ。自分勝手で、俺の心の中にズカズカ入ってきて、欲望には貪欲なくせに変なところで弱かったりする。ルーシーみたいに傲慢なのに時々、妙に優しくて、俺はそれが許せない。とにかく面白くないし、気に食わないんだよ!」

そこまで言ったら、ディーンは腹を抱えて笑いだした。

「何を言うかと思えば……お前が嫌いな俺は、お前そのものじゃねえか」
「どういう意味だ」

肩をいからせる俺から目線を宙に向け、言葉をそらんじる。

「自分勝手で、俺の心の中にズカズカ入ってきて、欲望には貪欲なくせに変なところで弱かったり?ルーシーみたいに傲慢なのに時々、妙に優しいだぁ?俺に言わせれば、それはお前の事だぜトリックスター!」

聞きたかった言葉をうまく言わされてしまったようだった。怒るつもりが、先に納得してしまったので気がそがれて呆れてしまった。

額に手をやって脳をクールダウンさせる。
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