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□青き日々(学園AU)
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「さびしいわ、貴方は私だけのスターなのに」
「ああ、そうだとも!私にとっても君だけだよ、本当さ」
サムイ会話のあと、ブロンド美女に彼がキスしているのを見ながら、
「いいなー」
と兄貴が呟いたのを、僕は聞き逃さなかった。
「待てよ、兄貴が『いんぱら』で登校したいって言うからそうしてるんだぞ。『いいなー』って何だよ。自転車2人乗りは僕だって大好きだけど兄貴がいいって言うなら僕はすぐにでも赤いオープンカーで毎日送り迎えしてやるんだから。後ろに空き缶ガラガラつけてさ!」
「そうじゃない…俺がいいなって言ったのは美人のお姉さんで」
「何言ってるの全然僕の方が良いじゃん」
「うわぁ……サム、お前どんだけディーンが好きなの。朝からとばしすぎ」
「そうじゃねえよ、アッシュ。こいつナルシストなんだ」
「そんな事ないよ」
言い合ってると、去っていく車とお姉さんに手を振っていたトリック・スターが寄ってきて、ディーンの肩に腕を回した。
背負い投げでもしてくれればよかったのに、
「女の子の1人や2人紹介するのは全然かまわないよ、お兄ちゃん?」
「おお、心の友よ!親愛のハグ!はぐーっ」
あろうことか、ディーンはトリック・スターに抱きついた。
「ああ、ディーン…君と私の仲じゃないか、そんな事ならいつだって…おや、生徒会長さん、どうしてメリケンサックなんかを装着しているの?私がディーンに親愛のハグをされているから?それとも新しく風紀検査に君も出るのかい?暴力はいけないな」
「とりあえず前髪が目にかかってるのと襟足が伸びているので顔面に二発入れます。嫌なら速やかにディーンから離れろ。あと紹介はさせない、絶対にだ」
「おやおや、嫉妬で公私混同はよくないよね。ところでディーン、腰回りが少し締まった?」
「判るか?ちょっと筋トレ増やしてあははは!お前、ちょっ、変なとこくすぐんなははは!」
いいかげんブチ切れて本気で殴りかかろうとしたら、
「ほらほら、そこらへんでやめろって、おまえら!あっ、キャスだ!おーい、キャス〜」