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□青き日々(学園AU)
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「痛いよ、アッシュ」
振り返って睨めば、両そでが無造作に切り裂かれた制服を誇らしげに見せつけつつ笑う、なんともパンクなスタイル(このスタイルを彼がカッコイイと思っているのか僕は本当に判らない)のクラスメイト、アッシュが立っていた。
「嘘つけよぅ、ラグビーとかアメフトから引く手あまたの筋肉を持つ生徒会長様が、俺ごときの平手で「いたぁい」とか」
そこで僕は、ぐいっと顔を近づけてディーンに聞こえないように囁いた。
「(……君のやってるPC部が写真部と提携して、学校の人気生徒の盗撮写真を売ってるのを僕が知らないとでも?いいんだよ武力介入しても。データごとPC全て破壊してやる)」
売り上げ1らしいディーンのデータは無論、全力で破壊である。
「(いっ、いやっ、でも!正直、部費だけだとキツいんだって、実際。だから仕方ないだろ維持費集めなんだって!いいじゃん、お前にも渡してるだろ、写真!)」
「(どうせ他の奴の手にもわたってるんだろ)」
「(いいか、ディーン独占禁止法っていうのがあってだな…)」
と、そこまでモメていた時。
「やぁやぁ、そこにいるのは親愛なるご学友の皆じゃないか!」
学校に向かってきた真っ赤なスポーツカーの助手席から叫んできたのは、クラスメイトのトリック・スターだ。こいつとアッシュは僕達の悪友でもある。
ちなみに車を運転していたのはブロンドのセクシーな美女だった。
ブレザーの下のシャツはボタン全開、ネクタイは引っかけるだけの彼は、よく風紀委員の頭を悩ませている存在だ。
毎日こうやって女性に送られてくるけどいつも違う女性だし、学校にいる間は、すぐ女の子をはべらそうとするし、ともかく風紀が乱れるので。