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ラップトップに潜む魔物
※ボイスドラマネタ
ついつい買い物しすぎたせいで、サミーが仁王立ちになって説教し始めてしまった。
「ディーン……言ったよね、僕のラップトップ使ってアレコレするなって。また勝手にいらない物を衝動買いして!しかもAVをこんなに頼んでどうするんだ!!キャンセルするからね!!」
「いやでもこれはだな…1クリックで何でも俺の夢を叶えてしまう妖怪の仕業で…しかもソイツは俺の購入履歴から、好みの傾向を割り出して『じゃあ、こっちもどうですか』なんて誘惑してくるから、ついクリックしちまったんだ。全ては妖怪Amazonの、」
「言い訳は聞かない。全品クーリングオフだ」
「う、うぅぅ……キャス、フォローしてくれ!!」
後ろに控えるように立っていたキャスに救援を頼むも、ぷいと顔を横に向けられてしまった。
「今回は全面的にサミュエルを支持する」
「裏切り者!!」
なんでお前まで怒ってんだ!?
だって仕方ないだろ、ダウンロード販売に無いヤツとかDr.セクスィーの見逃した話が入ってるヤツとか、気になっちまったんだから!!ここは、なんとか言い訳しなけりゃ…慌てて、サムに声をかけた。
「待った!俺がこういうの買ったのには理由があって」
「AV購入に理由も何もあるもんか」
「だ、だから…ホラ、この『オススメ商品』の列見ろよ!どれも巨乳ものが並んでるだろ!?」
「それが何」
少しでも部屋の空気を変えようと、ジョークまじりに言い訳しようと考えて出たのが、
「お、お前って……おっぱいすげぇじゃん…?」
「………………」
あぁぁ失敗!!
ごまかし作戦失敗!!
自分でも何が言いたいのかわかんねぇもん!!
が、しかし。
「…じゃあ何?僕の胸筋がすごいから、それに見立てて巨乳もののAVを買いあさったとでも言いたいの?」
絶対零度の視線が、俺を刺すのでもう頷くしかない。
「ソ、ソウダヨー」
「兄貴……」
もう「Dogeza」スタイルしか無いと思った時。
「女優さんを僕に置き換えて見てるとは知らなかったよ、兄貴かわいいよ兄貴!」
サムがそう叫んだと思ったら、次の瞬間にはがっちりとホールドされ、ぎゅむぎゅむと頬ずりされた。
「は?えっ、いやそういう事はしてな」
というか、女優に置き換えて見られて嬉しいのか、お前。
「てっきり僕だけかと思ってたけど、素直に言ってくれればいいのに……なぁんだ、そうか!日頃から巨乳に固執するのは、僕の胸が厚いからか〜!」
「いやそれとこれとは別…ん?『てっきり僕だけ』って何の事だ?まさかお前、AVの女優を俺に置き換えて、」
「やっぱり僕達、相思相愛なんだね!!」
納得するなよ絶対おかしいだろ、おい人の話を聞けよ!とじたばたしながらキャスに救援要請を再び出すも、
「……そうか…巨乳か……」
なんだか寂しそうに呟きながら、自分の平らな胸を触っているばかりで、こっちを見てもくれなかった。