SPN

□ディーン取扱説明書(CD)
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「サミーはデリケートだからな、代わりに俺が全部やってやったんだ」

えっへんと胸を反らす姿を見ながらも本に視線を落としてみる。

『4、時折、狩りで捕まえた獲物を持ってくる時がありますが、それは貴方に褒めてほしいから見せようとしているのです。けなしたり、拒否したり嫌な態度をとるべきではありません。そういう時は無条件に褒めてあげましょう。スキンシップも効果的です』

そうだったのか……てっきり、お前も売れるならこういう風に解体してやる、という意思表示なのでは、などと変な勘ぐりをしてしまった。

安堵しながら彼の頭を撫でてみた。

「すごい、ディーンはえらい」
「な、なんだよいきなり……当然だ、俺はすごいんだぜ」

嫌そうにしながらも少しだけ照れている彼の頭を、無心で撫でる。

ふにゃっと弛緩して笑う彼が、愛おしい。

マイナスイオンでも出ているのだろうか……精神的に癒されてきた。

「……しつっこい!!」

が、少しもしないうちに私の手は、ばしっとはたかれた。

「……何故だ、ディーン」
「何故も何も、5分以上も無言で頭を撫でられりゃ、しつこいって言いたくなるだろ」

「……何度も言うが君は短気すぎる」
「摩擦力で俺の毛が薄くなったらどう責任とってくれるんだよ」

反論する前に、彼は私から距離をとり、またベッドヘダイビングしてしまった。

口を大きく尖らせてムスッとしている。

途中までうまくいっていたはず……本当に何故だろう。本のとおりにやったというのに。
何か見落としたかと、読み進めてみたら、先の文章に続けて次のように書いてあった。
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