Project&Request
□Fallen Angel〜風化風葬〜(CD)
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「……ディーン、確かに君はそうしてメアリーの事を忘れてゆくのかもしれない。けれど『感覚』は忘れても『体験』は覚えているだろう。魂に刻みこまれているから大丈夫だ」
そう声をかければ、やっと彼は顔を上げ微笑んでくれた。
人間と人間を結ぶのは『時間』だと私は思う。そして私と彼の間に在る溝もまた『時間』だ。
私はサミュエルに比べると、圧倒的に彼と過ごした時間が短い。
もっと彼に近づきたいのに。
まだ足りない。
彼を私だけのものに、独占したいと思うようになったのはいつからだろう。
彼と会って、共に過ごせるようになって、触れあえるようにもなった。
それでもまだ彼が欲しい。
衝動的に、コートで覆うように彼を包みこんで腕に抱いていた。
「……誰が電気を消せって言ったよ」
覆われた闇の中で、くすくす笑う彼を頭ごと押さえこむ。
私以外を見ないでくれ。
そう言ったら、君はどんな反応をするだろう。