Project&Request
□Wings of Love(CD)
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「も…『求められる前に、それを私は差し上げました』…」
「今の口づけが『愛の誓い』だとすれば、若干物足りない」
思わず口走った要望は力のこもらない拳で、ぽこんと叩き伏せられた。
「な、なんでこんな場所でこんな三文芝居につきあわされるハメに……」
「やはり分かっていないのか、ならばまた初めからもう一度」
やめろバカ、と口を塞がれる。
「あーあー、酔ってねぇのにお前の酔いが感染しちまったよ!」
「そうか、君の顔が赤いのはあくまで、その酔いのせいだと言いたいのか」
「だっ、大体、こんなムードもへったくれもねぇ場所で変な事言いだしやがって」
君の車に寄りかかりながらというのは君にとって最高だろう。
そう言ってやれば「黙れ、酔っぱらいが」と笑み混じりに返された。