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□Wings of Love(CD)
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「もう何も言うな、だまれ」

反論しようとしたが、胸を掴む手が震えているのを見て口を閉じる。

本当に小さな声が言う。

「ぜ…全部は確かに分からないかもしれねぇけど…その、お前の気持ちの根っこの部分は分かったからもう言わなくていい。気の迷いじゃないって、ちゃんと俺に伝わった」

空気が薄いとでもいうかのように、肩を荒げるのに顔は上げてくれないまま。

『私の言葉』がもういいと言うのならば『詩人の言葉』を借りるだけだ。

だから私はジミーに聞いた戯曲のセリフを彼の耳へと囁いた。

「……『では、あなたは、充たされぬ私のこの心を見捨てて別れようとなさるのでしょうか。私は、真心のこもった愛の誓いを交わしたいのです』……」

言った途端、やっと真っ赤な顔をした彼が私を見てくれた。

勢いよくあげられた顔は、けれど言葉を生みださず、ぱくぱくと口だけが無音で動く。彼の髪を指先にひっかけて耳へとかきあげたりして弄びながら待つこと数分。
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