Project&Request
□Wings of Love(CD)
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暗い駐車場で、インパラに寄りかかる彼のシルエットだけが浮かび上がっていた。
「ディーン」
「おう、何だよ急に『2人だけで話したい』とか電話し…お前、酔ってる?」
「ビールからカクテルまで思ったより取り揃えてあった……」
ふわふわする足を何とか彼の横まで動かして車へと寄りかかった。
「何の話だ?酔いにしてもあんまり顔に出ねぇのな、お前」
彼の手が私の頬に伸びる。その冷たさが気持ちよくて手首を掴み、頬ずりすると彼はされるがままだった。
「で、話って?」
「んー……」
話?話とは何だったか……
『いい?キャス。「like」じゃなくて「love」を伝えるのよ』
あぁ、そうだ。彼に気持ちを伝える。それが話だ。
うん、そうだった。
私が彼をどう思っていて、どう考えているのかを言葉で伝える。
……しかし「アルコールは力になる」と彼女が言ったから何杯ものグラスを空にしたというのに、考えようとすればするほど頭には、もやがかかってしまう。
うまく整理ができないようだ。こんな事ならば飲むのではなかった。
私は頭をひねって、うなりながら何とか頭脳を回転させようとした。
「うーん……うー……」