SPN

□Devil inside(CD)
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バレないようにチョコを売ってる店へ出向き、その店で一番美味そうで高価なものを選んできた自分自身が可哀相になって叫ぶと、ぽかん、と口を開けた鈍感な兄はそこでようやく合点がいったようで、
「あぁ、それで……これを俺にくれたのか」
実にそっけなく呟いたけれど、うつむいた頬が軽く緩んでいたのと、耳が少し赤くなっていた事が、本当はけっこう喜んでいるという事を如実に表していたので僕としても少し気が晴れた。
「まぁ、くれるってんなら、もらう」
嬉しさのにじむ声を聞きながら達成感に満ちた時、
「じゃあ、代わりにこれやる」
と言いながら、ディーンが買い物袋から唐突に何かを放ってきたので慌ててキャッチする。それはリボンのかかった綺麗な箱で、半ば放心状態で開けてみると、やはりそこには愛らしいハート型のチョコが並んでいた。

まさか、ディーンが僕にチョコをくれるなんて!
なんだ、バレンタインって知らないフリして恥ずかしがってたんだね!
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