SPN
□午後十一時の攻防戦(SD)
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ともかく、ディーンがまだ半分夢心地なうちに誤解を解こうと思って、
「ディーン、これにはワケが……」
言いながらディーンへと向きなおったのと、顔を真っ赤にしたディーンが起き上がり、ものも言わずに右ストレートを僕へと繰り出してきたのは同時だった。
容赦のない、凄まじい強度の拳に吹っ飛ばされながら、
「このっ、変態!!」
「変態……彼は、姿を変える事ができるのか。知らなかった、すごい」
「そっちの変態じゃねぇ!」
とんちんかんな事を言う天使にも、剛速球で枕が飛んでいったのを見たのが、気絶する前の光景だった。
後日談。
それからしばらく、モーテルではわざわざシングルを二つで取られ、何を言っても、自分と僕の間に(番犬か何かだと認識しているのか知らないが)クソ天使を置かれるという地獄の日々を味わったけれど嫌われなかったようなので良かったです。