SPN

□午後十一時の攻防戦(SD)
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あ、やばい。どうしようと思った時にはもう遅く、
「ん……んぅ、ふ……」
今や、僕の前でディーンは口に歯ブラシを挿入されたまま、色っぽい声を出していた。
頬はシャワーから出た時よりも更に朱く、肌も色づいて上気している。

けれど、起きない。思ったよりも疲れていたのかもしれない。
寝つきが良い時は異常なほど良いんだよね……今だけは、そこに感謝してる。

止めようとする意思とは反対に、手が勝手に動く。
歯と歯茎の間を擦ると、ディーンが僅かに身をよじる。
「う……ふ、はぅ……」

「…………」
白状する。けっこう前から、なんか変な気分になってはいたんだ。
もう自分でも引き返せないというか、手を止める事はたぶんできない。
ここまできて止められるわけが、ない。

舌の裏へとブラシを動かして擦るだけでも、ディーンの身体は敏感に跳ねた。
「ふぅ……っ、ん……」
脳内ではディープキスをしている気持ちで、一心不乱に口内をブラシで蹂躙する。
口の端から透明な唾液が、つぅ、と伝い落ちたのを見た時、自分の中で理性が決壊した。
それをうっとりと眺めながら、指で絡め取ってやって、ぎしりとスプリングを鳴らしながら、ベッドへ上がり、ディーンを見下ろす。
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