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□午後三時の攻防戦
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「なんだそりゃ。ジョークのつもりか?あっはっは……むぐんぐ」
「笑いごとじゃないんだって!」
机を叩きながら立ち上がり、顔を真っ赤にしつつサムが俺を指さした。
「そうだよ、エロいんだよ!そんな姿を人前で見せるなって言ってるんだ!特に、コイツの前で!!」
コイツ、というのはキャスの事らしいが、とち狂ったような台詞を店中に聞えるくらいの大声で言わないでもらいたかった。
やっぱ反抗期だなー、と呟こうとした時、前から指が伸びてきた。
「ディーン、頬に」
「んむ?」
俺の頬についていた生クリームをどうやら取ってくれたらしく、キャスは自分の指についたクリームを俺に見せる。
「ん、サンキュ」
差し出された指を、あむ、と咥えてぺろっと舐めた時。

隣で水の入ったグラスを盛大に倒しながらサムが立ち上がり、お前そんなに早く動く事できたんだ!?ってくらい素早く、キャスが指を引いた。

「な、なに!?何だよ!?」

二人一緒に挙動不審になった理由がまるで判らない。俺は間抜けにもスプーンとフォークを握ったまま二人の顔を交互に見る。

キャスは自分の指を見下ろして眉根を寄せているし、サムは服にも水が零れているのも気づかないで、まるでUMAにでも遭ったかのような顔。

「ゆ、指を舐めるか普通!?なんで僕の指は舐めないんだよ!」
「え、だって差し出されたから!なんで理由も無くお前の指を舐めなきゃならねぇんだ!」
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