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□午後三時の攻防戦
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「おぉ、これはスゲェ」
生クリームがもこもこしててイチゴ盛りだくさんタワーなパフェを前に、幸せ絶頂。スポンジ生地がちらほら混ざってるしケーキの豪華版みたいだ!
例え隣でサムが「うっ……見てるだけでもう気持ち悪……」とか言ってても俺は幸せだ。
一方、キャスは目の前に出された黒い液体を眉をしかめつつ、見おろしていた。
「ディーン、これは飲み物か……そして、それは食べ物か?」
「それはコーヒーでこれはパフェ。試しに飲んでみろよ」
そろりそろり、と口まで運んだが、一口飲んだ途端にカップは下ろされた。
「苦い」
砂糖入れを押しやってやったが、じーっと俺のパフェを見ているだけになってしまった。そういや、こいつは俺が飲み食いする姿が好きなんだったな。
じゃあ、別に気にしないでいいかと早々にパフェへと取りかかった。

いい年した男が三人も雁首そろえて、そのうち一人はばかでかいパフェを切り崩し、あとの二人がじっとその姿を眺めているという奇妙な光景。
どこからこうなったか、もうよく覚えてないがとにかくこの店の甘いものは極上である。
「……ディーン、もうさっきからずっと言いたかったんだけど」
「んぐ?あんだよ、サム」「口じゅう生クリームだらけにして、ぺろっとベロで舐め上げるの、やめてくれないか」
「なんで?」
「み、みっともないからだ!」
「なんだよ、顔を赤くしてまで怒ることかよ」

「……君のその姿がとても扇情的だと、彼は言いたいのだと思う」

キャスの一言に、サムが何故か固まったがこいつも相変わらず、素っ頓狂だなぁ。
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