SPN

□ぬるいキスをしたね(SD)
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というか、ここまで兄が鈍いと知っていたら僕だって行動してたって言うのに。

「そもそも、あいつは兄貴に悪影響なんだよ」
「はぁ?逆だろ、それは。俺がキャスに悪影響、なら分かるが」
ああ、あいつの事を愛称で呼ばれるだけでも腹が立つ。
「僕らがここにカンヅメ状態になる前だけど、数週間くらい女の子と遊んでないだろ」
「え?……あれ、そういわれてみると……」
「バーで夜遅くまで飲む事も少なくなってた。
僕に示されるまで自覚なしってのが、まず兄貴にしちゃおかしいんだよ」
「どういう意味だよ」

けっこう前から、おかしいおかしい、とは思っていたのだ。
お酒はほどほどで帰宅するし、行きずりに女の子の部屋で一晩明かすような事が無かった。
「あいつと夜、会ってたりしなかったか?」
「そういや、けっこう会ってたな。なんか任務で拾ったけど自分はいらないからやるって言われて、酒とか食い物をくれたりして、それがどれもすっごく美味くてさぁ!! 」

餌づけされてる……。
性欲より食欲を満たされて満足しちゃってたのか……と脱力。
ますますディーンは本能で生きてる感じになってるな……。じとっ、とした僕の視線に気付いたのか、慌てて取り繕うディーン。
「でも約束とかはしてないんだぜ。バーにでも行こうとした時とか、女の子に声かけようとする時に、「やぁ、ディーン。奇遇だ」ってバッタリ会ってだな……」

気づけ!
それはあんたの行動を計算したうえでの「奇遇」だ!
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