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□疎ましい彼の声(CD)
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「悩み事でもあるのか。溜め息をついていたようだが」
顔を向けるのもおっくうでうんざりしながらも、
仕方なく横を向けば少しだけ眉を寄せたキャスが俺を見ていた。何も言わずにじっと、その垂れ目で問えばいつも俺が何か言うと思ってんのか?
「……サムが俺から離れようとしないんだよ」
ちくしょう。
サムもコイツも俺の良心に問いかけてくるとこがあざといんだよ。
「君たちがいつも通りの良好な関係のようで何よりだ」
「…………違う。俺はそんな素っ頓狂な言葉が欲しかったわけじゃねぇ……」
それに何だか、嫌味っぽく言わなかったか今。

「…お前のせいなんだよ、キャス」
「……何故、どうして私のせいなんだ」
意味が判らない、という声に呆れ顔を作って向けてやる。判ってるさ。
こいつにはハッキリ物を言わなけりゃ理解してくれないってくらい。
けど、ハッキリ口にできるくらい自分の性格が素直だったら苦労してねぇんだ!
「ここ一週間、俺から絶対に離れようとしなくて参ってるんだよ!」
「だからそれはいつも通りの」

ついに、俺の我慢は臨界点を突破。
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