SPN

□それもまた確かに好きだという証に他ならない(CD)
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そのように見られていたとは知らず、これはもしかしたら馬鹿にされているのだろうかと首をひねる。
そうだとしたら早急に話を逸らすべきだと考えて、
「彼は特に好んで食べているようなんだが、あの食べ物はそんなに美味しいのだろうか」
と言ってみると、
アンナはますます笑って私の背を叩いた。

「気になる事があるのなら、ぜんぶ直接本人に聞いてみなさいよ!そして興味がある事は、ぜんぶ直接彼と試してみなさい!」

ほら、さっさと行きなさいと言うアンナが最後まで肩を震わせながら笑っていた事は、私にとってあまり面白くなかった。

彼が驚くので彼の部屋に直接降りるのではなく、
あえて少し離れた場所から歩いて行って部屋のドアを開けてみた。

「やあ、ディーン」
「……だいぶ、マシになったが今度はノックを覚えようぜ、キャス」
軽く手を上げる彼はベッドに寝転びながら私に顔を向けた。
「ノックとは何だ」
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