SPN

□2nd Anniversary
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突然だが、今僕らは海に来ている。

兄貴が今日はオフだと言い張り、海に行きたいとしか喋らなくなったので仕方なく、そういう事になった。

ハンター業で良い事は、オフを自分達で決められるという点だけど、僕が止めないと毎日をオフにしようとする兄を持つと考えものだ。

見わたす限り、サファイアブルーの海、そして砂浜。

ワゴンセールの水着を買ってボールとうきわを持った兄は、口を尖らせて振り返った。

「なぁ、何でTシャツ着たまま泳がなきゃならないんだよ」

海に入るにあたり、僕からの要求は『服を着たまま入れ』である。
難しい事は言ってない。

「何で見ず知らずの他人どもに兄貴の裸を見せなきゃならないんだよ」
「真顔で言うあたりがお前らしいけどな」

金をとってもディーンの裸を見せたくない。大体、日焼けしたらひいひい言うくせに何故脱ぎたがるのか。
個人的には、ひいひい喘ぐディーンを見るのは好きだけども。

僕がパラソルを開こうとしていたら、ビキニの女の子達が横を通り過ぎながら僕らにウインクしていった。それをディーンが目で追ってたので、顔をこちらに向けさせて強引なキスをする。

「なんだよ!?」
「僕の前で女の子を見る度にキスするからね。後を追おうとしたら水着脱がすからね」

「み、見てないし…意味判んないし…」
「無駄な抵抗をしたら舌も入れる事を辞さない」

何を言っても僕が怒るだろうと珍しく賢明な判断をしたらしいディーンはふくれっ面のまま、うきわをぷくぷく膨らませて海へ向かって走っていった。

溜め息をつきながらパラソル設置。荷物を置いて後を追おうと振り返ったら、いつの間にかすぐ隣に二つのビーチチェアーが出現していた。
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