Treasure

□Slip of the tongue
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Slip of the tongue





「父さっ・・・・・ディーン」

「パパになに用か?サミーちゃん」


たまにこういった言い間違いってあるよね。学校の先生にむかって「お母さん」って言って「私はあなたの先生じゃないわ」って言われるようなあの感じ。それを今まさに僕がしてしまった。父さんが死んでだいぶ経つけど何も考えずに誰かをよぼうとしたらこういうことってあると思うんだ。よりにもよって言ってしまった相手がディーンとなるとしばらくはこの事でイジられそうだ。ニヤニヤしながら僕の頭を撫でてくるディーンは可愛いけど子供扱いするのは止めてほしい。どうせなら、父さんとかじゃなくてハニーとかマイスイートとかって言い間違えたかった。


「ディーンやめろよ、子供扱いするな」

「パパに思ったことをいってみな、サミーちゃん」

「だから、ディーンだってあるだろ!いい加減やめてくれ」

「となると、さしずめ私は母さんということだろうか?」

「「うわぁっ!?」」


言い合いになっている最中に後ろから聞こえた声に兄弟そろって情けない声をだして驚いた。相変わらずよれよれなトレンチコートをきたカスティエル、通称キャス。


「死んでもお前のことを母さんなんて呼ばないからな」

「サム、ママに酷いこと言うなよ。パパ怒るぞ?」

「ということは、私とディーンは夫婦ということだな」

「クソ天使ィィイイイイイ!!!!誰が認めるかァァァアア!!!」

「サム俺が悪かっただからショットガンをおけ!!!」


必死で僕をなだめるディーンに抑えられて撃たなかったけれど今度余計なことを言ったら、次こそあのクソ天使を殺してやろうと思った。すこし頭を冷やそうと思いディーンに「コーク買ってくる」とだけいって部屋を出た。

のが、悪かった。

コークを買って、イライラを抑えていた。しばらくして部屋に戻ってみるとキャスがディーンの後ろから抱きついていた。特にいやがっているそぶりも見せないディーンにも腹が立った。


「サム」

「サミュエル・・」

「何してるんだクソ天使」

「夫婦がくっついていることに何か問題があるのか?」

「キャス・・俺とお前が夫婦だと?冗談よせよ」

「なら・・・子供が親に抱きつくのだって何も問題ないよね」

「サム!?ちょ、おま」


じたばたともがくディーンを無視して正面から抱きついてやった。もちろんその時に、僕が甘えるようにディーンの名前を呼んだ。ディーンはこれに弱いことをしっているのであっというまに抵抗を止めた。少しディーンから体を離したキャスが嫌そうに僕を見ていたがにっこり笑って中指たてた。

「Mom go over there.(ママは向こうに行っててよ)」



end
 

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