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□青き日々(学園AU)
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僕の朝は、兄貴の寝顔を眺める事から始まる。

二段ベッドの上をひょいとのぞきこめば、おなかまるだしですやすや眠る僕の兄、ディーン・ウィンチェスターが横たわっていて、うっとりとその姿に見惚れた。

僕らは世界で2人だけの家族。ものごころついた時にはもう兄と2人きりだった。

父や母のことが気になった時もあったけど今は特に気にならない。

ディーンさえいれば、僕は満足で幸せだから。

「ディーン、朝だよ。起きて」
「……んにゃ、も、ちょっと……」
「だーめ」

今日は生徒会のミーティングが無いから一緒に登校できる。むずがる兄を姫だっこして階下へ降りれば、テーブルの上にはパンケーキ2人分とタイマーセットされたコーヒーメーカーが音を立て、湯気を出し始めていた。

そしてそっけないメモが1つ。

『遅刻するなよ』

この家の家主で僕らの担任であるボビー・シンガー先生の字。

そう、僕らはボビー先生の家に居候している。先生は小さい頃からなにかと僕らの世話をしてくれて、奥さんと死別してからも父親のように見守ってくれる人だった。

通っている学校には学生寮もあるけれど先生の家に居候させてくれと頼んだのは僕。
寮で共同の風呂とかで兄貴の肌を他の奴に見せるのなんか絶対嫌だし、僕のいない間に襲われたりする心配だってある。

ディーンはとにかく無防備すぎるのだ。いずれは僕ら2人だけの家を買ってそこを2人の愛の巣にするのが僕の夢。

「ボビーは俺らが起きてくるタイミング、よく判ってるよな」

だっこされたまま、ディーンがむにゃむにゃ言いだしたので、将来設計の妄想から戻って降ろしてやる。
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