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兄貴の新兵器5
兄貴が何を思ったか、チャックを連れてきた。
「呼ばれたから来たけど何?」
「呼ばれても来るなよ。ディーンなんなの急に」
「俺、思ったんだ。チャックを狩りに連れてったら、かなり有利になるんじゃねぇかなと」
「お荷物で足手まとい以外の何ものでもないと思うけど、どこが有利になるってんだ」
「ひどくない?本人前にしてそれひどくない?
いや、自分でも戦闘力皆無なのは知ってるよ、知ってるけどもそこらへんはオブラートにさぁ」
「初期装備がトイレのキュッポンなヤツは黙ってろ」
「最近のサムって俺に容赦ないよね」
「少なくとも数日後までは予知できるんだろ、なら敵の攻撃が来るのも予測できるというわけだ。傍らに置いといて『Hey.Big boss!次は何時の方角から攻撃?』って聞くとコイツが正確に指示してくれるという」
「あっ、それカッコイイ!俺がすごくカッコイイ。君達に指示できるってとこがイイ」
「チャックにそんな事できるわけないだろ。よく考えてみて、兄貴……狩りに連れて行ったらすぐ逃走するよ、きっと。ノミの心臓だよコイツ」
「……ねぇ、だからサムさっきからひどくね?」
「それにさ、何時の方角から攻撃とか細かなとこまで予知できてたら今僕たちは苦労していないわけで」
「あれ?今までの事全部俺のせい?」
「例えば8時にディーンがシャワー浴びるとか10時にディーンは完全ノンレム睡眠で何しても絶対起きないとかそういう微細な予測ができていたら僕はとっくにコイツを正式採用しているわけです」
「仮にも俺、預言者なんだけど…そして逆にそういう予測できてた場合を想像したらすごい怖いんだけど」
「えぇ?じゃあ、こいつは全然使えないの?」
「そういう事になりますよね」
「だったら存在してる意味ねぇじゃねぇか」
「そういう事になりますよね」
「やめて、俺のライフはもうゼロよ!」
※「預言者は武器として使えない、大天使が出てくると危ないので」と訪れたキャスが助け舟を出すまでチャックはいじめられ続けたという。