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□Black Veil〜Pair in the Dark〜
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〜プロローグ〜


モーテルの部屋の中、ぼんやりと3人でソファーに座りテレビを見る。最初は俺一人だけが座っていたのだが、こいつらは何故か狭い所が好きらしい。じゃあ俺どくわ、と腰を上げようとしたら両側から押さえつけられた。

仕方なく、ぎゅうぎゅうになりながら弟と守護天使の間でチャンネルを廻していたら、クリスマスのニュースが流れていた。

「あー、もうクリスマスか。この前の感謝祭は楽しかったよな、クリスマスも3人で過ごそうぜ」

軽く、そう言ったのが悪かったのかもしれない。2人とも黙ってしまった。そうだよな、こいつらにも予定ってのがあるよな……たまには俺と離れて女の子とイチャイチャしたかったりするだろう。

「え、えーと…悪ぃ。今のは勝手な俺の、」

謝ろうとした時、ほぼ同時に2人から言葉が被さった。

「今、奇数を数えなかった?僕とディーン、2人で過ごす、の間違いだろ」
「ディーン…君は時々、数を数え間違う傾向があるようだな。私と君で2人。他に誰がいると言うんだ」

「なんだ良かった一緒に過ごしてくれるのか…え?いや、3人…俺とサムとキャスで、ほら、3……」

「ごめん兄貴はちょっと黙ってて。はい?さっき何か、のたまいましたかカスティエルさん?クリスマスくらい出しゃばってくんなよ落ちこぼれが」
「アンナが言っていた。クリスマスはキリストの生誕を祝いながら大事な人と過ごすのが人間の慣習だと。さてどう過ごそうか、君と2人なら何をしても有意義に過ごせそうだ。サミュエル、君は無粋な真似はしない男だろう。私を失望させないでほしい」

何だろうこのピリピリした雰囲気。
どうして俺をはさんだまま、口論を始めるのかが判らない…っていうか、何をモメているのか判らない。

「2と3の、どこがどう違うってんだ」

「「大違いだ」」

声を揃えて言わなくたって。
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