SPN

□ぬるいキスをしたね(SD)
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僕のベッドの上で盛大にお菓子を食べ散らかして寝そべるディーンが言った。
「……なぁ、俺のこと眺めてるのがそんなに楽しいか?」
「うん、楽しい。リスそっくりで」
特に、その口いっぱいに詰めた頬袋的な顔が可愛い。

大雨な空模様。ネットの天気予報ではこれから数日、もっと荒れるらしい。
兄を黙らせる為の菓子と食糧と酒を買いだめしておいてよかった。

当分狩りは延期かな、と窓から室内へと視線を戻すと、
「リスってのは褒め言葉じゃねえだろ」
ふくれっ面のディーンの顔。ちょっと目を離すと更にベッドの上は散らかっていた。
「褒め言葉だけど?ところで、そのベッド。どれだけ散らかしても怒らないよ。ディーンと一緒に寝るからそっちは使わないしね」
ナイフを研ぎながらすまして答える。
「じゃあ俺はソファーで寝る」
「じゃあディーンは右側、僕は左側だ」
そう返すと、短気な兄は飛び起きて抗議を開始する。「おい!いい加減に俺の事監視するの、やめろ!お前一体、何がしたいんだよ!?」
「わかってるのに、わざわざ聞くの?つけ狙ってるあのクソ天使から兄貴を護ってんの」
「だから、それは誤解だって!俺はどこにも行かないし……」
「僕がシャワー浴びてるうちに逃げだして、外であの天使と抱き合ってたのはどこの誰だ」
ぐっ、と詰まる兄貴の顔。
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