☆BSR

□隣の隣
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竜の右目。
俺様の愛しい人だ。
でもあの人には守るべき人がいる。
『竜』だ。
俺様みたいな忍とは格がちがいすぎて。
それでも俺を一番に思っていてくれる、小十郎さんは優しすぎるんだ。


〖隣の隣〗


「え、俺様に休暇!?」
こんな時期にありえないお暇。
「うむ。ただし一日だけだが。佐助には苦労をさせているからな。」
「アンタが苦労の元凶なんすけどね。」
なんて笑ってみせるけど、どういうことだ?
天然な旦那のことだから、本当にいたわってくれているのかも・・・。
「ま、一日だしね。じゃお言葉に甘えて。」
へらり、と笑った。

「こーじゅうろーさあん」
甲斐から奥州へ。
もちろん、小十郎さんに会うために。
「佐助!こんな時にどうして?」
「へへ〜。旦那がさ、一日休暇だって!」
すると小十郎さんは目をまるくして、まゆを
ひそめた。
「・・・そうか。ゆっくりしてけ。」
「・・・・・・?」
どうしたんだろう。
おかしい。
全身が不安であふれようとしている。
「何か、隠してる?」
「・・・いや。別に。」
「・・・そう。」
少し安心した。けど、なんか胸の奥がざわついている。
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