お題企画

□絡める
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58.絡める
(ナツグレ)





目の前でカウンターに突っ伏している恋人を見つめる


今日は朝からグレイの顔を見ていない


「ミラ」


「なぁに?」


「いつから寝てんだ?コイツ」


「ん〜…たしかね、来てからずっとよ」


昨日は依頼を終え、帰ってきたのは日付が変わっているころだったそうだ

それからも後処理やら何やらで寝る時間が無かったらしい

んで、朝ギルドに来て寝たんだと


「ふーん…」


「起こしちゃ駄目よ」


「しねぇよ!」



むしろ寝顔とか見たい
あんまし俺の前で寝てくれないから



…顔、あげてくんねぇかな



「スー…」


「…」


規則正しい寝息が聞こえてきて、あ、ホントに無防備に寝てんだって思ったらちょっとムラッとした

でもミラに【しない】って言った手前もあるし
気をまぎらわそうとグレイの髪に手を添えた


「ん…」


「!」

(やば、起きた?)





「スー…」


「…ふぅ…」


ホッと胸を撫で下ろす


頭を撫でているとあることに気がついた


(グレイの髪って見た目つんつんしてんのに柔らかいんだ)


自分もつんつんはしているが…そこは置いといて…

髪に指を絡め、くるくる回す

意外にさらさらしていたり、一本一本細かったり、綺麗な髪に釘付けになっちまって、グレイが起きたことに気がつかなかった


「…な…つ?」


「Σ」


「なに…してんだ」



「あ、えーっと…」



髪に釘付けになっていたなんて恥ずかしくて言いたくねぇし
だからと言ってさっきまで髪をいじってたのに下手な言い訳してもウソだってすぐばれる



「…綺麗な髪だったから…」



正直に言うことにした



「綺麗?…ん」


「?」


グレイが体を起こして手を伸ばし

俺の頭を撫でた



「グレイ?」



「ナツの髪も綺麗だよ、」


「Σ!?」


「その桜色、俺好きだもん」


俺の髪に指を絡めながらふわっとした笑顔で言う


…反則だ///


「グレイ、」


「ん?」


俺はたまらずグレイに口を付けた
殴られると思いきゃ、意外も意外


目を閉じて受け入れてくれた



「ん…なつ…」


「っ…グレイ…俺、もう我慢きかn…」

「くかー」




「くかぁ…?Σ…って寝てる!!??」



そりゃねぇよ…つうか素直だったのって…眠かっただけかよ





ま、グレイのこと、また一つ知れたっぽいし、いっか…




俺はまたグレイの髪に指を絡めて暇を潰すことにした










Special Thanks!:)いーだたろう様

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