My room

□秘事〜聖域〜
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俺の聖域
不浄なる純潔の薔薇

俺のこの汚れた手では
触れることすら
赦されない

触れてしまったら
抱きしめてしまったら
…最期

きっと
確実に俺の手で狂わせて
粉々に壊してしまうだろう

その棘で
自身を護ってくれ

その鋭く尖った切っ先で
俺の心臓を貫いて
この煩い鼓動を沈めてくれ

お前を抱きしめたいと願う
この押さえの利かない
二つの腕からどうか
逃れてくれ

俺の想いはきっと
お前を苦しめるだけだろう

どこまでも
追いかけて
追い詰めて
お前を辱めては
貶めるだけだろう

だけど俺は
そんな穢れた俺は
お前さえ居れば

どんな困難だって
超えていける気がするんだ

それは確かな奇跡

反応するんだ
心が
世界中の誰でもない
お前だけに

苦しめたい訳ではないのに

ただ傍で
微笑んでくれるだけで

それだけで
良かったのに

この日々成長して
大きくなった
漆黒の欲望が
俺を急速に蝕んでいく

俺の魂が
浅ましく
お前の全てを求めて彷徨う

何度でも
お前を蹂躙してしまう

誰もが気持ち悪がるだろう
この大罪を

もしも…

万に一つの可能性でもいい

もしも―

お前が受け止めてくれるなら

お前が微笑ってくれるならば

お前を苦しめる
全ての柵から救ってやる

その優しい目も口も身体も
全て俺のものだけにして
お前を慈しみ
護ってみせる

お前だけに捧げるよ
神聖なる神の御前でもって
誓いのキスを

悪魔にこの身を
売ってもいい

悦んでこの命すらも
自ら投げ出そう

最後の枷が
外れ

最後の砦を
超えて

最後の審判が下される
その時には

もう何も躊躇わない
生き恥を曝してでも

お前への想いを
貫いてみせる

俺は何れ
地獄に堕ちるだろう

地獄の業火に焼かれながら
それでも
この想いはきっと朽ちない

それが例え
どんな過酷な運命であろうとも
愚かな末路であろうとも

お前を愛したことを後悔する日など
永遠に来ないだろう

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