疾走少年

□雪もよに
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「何さらすんじゃぁ!!?」

「うわぁぁっ!!」

粉雪が舞う
雪の中からはい出てきた物の怪に後ろから回し蹴りを喰らい雪の中に倒れた

「あのなぁ、俺は気持ちよく寝てたの。それなのに急に起こされて、気づいたら冷たい雪の中だぞ!?心の臓が止まるかと思たわっ!?」

どこからか物の怪の声がするのだが真っ白な雪と同化しているせいで姿が見えない

「もっくーん、どこにいるのー?」

「・・・ここだここ」

頭を長い爪でつつかれる

雪に埋まった顔を上げると正面に紅い瞳が見て取れた

「なんだ、そんな所にいたのか」

「居ましたとも」

「雪が降ると不便だからさ、冬の間だけ手を染めたら?」

黒色にでも。あ、でもそれじゃぁ夜不便か…じゃぁ虹色とか

虹色のもっくん………それは是非見てみたいかも

「もっくん虹色――」

「断る!!」

昌浩が言い終わる前に物の怪が即座に否定をした

「似合うと思うんだけどなぁ…」

「…似合うとかじゃなくて面白いからだろ?」

「うん」

「……」

うなだれている物の怪を無視して仰向けに体勢を変える

これだけ積もった雪が嘘のように空は晴れ渡っていて、月と星が輝いていた



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