輪廻の火
□帰還
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サラマンダーは、ザナックに忠実だった。
わかったヨ。ごメンね…
もう一度謝罪を言葉にすると、座り込んだシルヴィスの隣から消えてしまった。
「あ、おい…っ」
「大丈夫。儀式は終わったよ」
慌てるシルヴィスの心を読んだのだろう。
サラマンダーへの呼びかけを遮るように、ザナックが言った。
「終わったって…」
「右手首の内側、見てごらん」
今のの何が儀式に相当するのかわからなかった。
シルヴィスはサラマンダーを受け入れ、勝手に動かれただけだ。
だが言われた通りに見てみると、揺らめく炎を纏うサラマンダーが痣となって描かれていた。
「これは…」
「それがサラマンダーの愛の証。あの子の行動の全てを受け入れた君への、感謝と忠誠の証だよ」
ザナックが説明する。
痣に意識を向けると、体の内側から炎が沸き起こる感覚があった。
「これが…儀式の成果」
「うん。君はより強い炎の力を手に入れた。火は君の自由だよ」