頂き物書庫

□見張り番
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 しばらく“あれ”を睨み付けるように見てから、彼は俺の肩を叩いた。
「毎日見張ってなくてもいいんだろう?たまには本部に顔を出せ」
「何?あんたが寂しい?」
「バカ言え。……“あれ”が本格的に動き出すまで、まだ時はあるだろう。会いたがっているヤツは多い」
 真っ黒い姿は現れた時と同じように、前触れもなく消える。
 去る時は別れの言葉ぐらい言えっていつも教えるんだけどなあ。

 そうだな、たまには俺の方から友人に会いに行こう。
 そしていつか出会う俺の後継者を、ちょっとだけ見に行こうか。
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