贈り物
□マ王代行閣下の一日
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回答を得て、満足して去って行った弟に頭痛を覚えつつ、再び精神統一を図る。
と、次の来客を告げるノックが響いた。
「…入れ」
仕方なしに手にしていた物をしまい、ドアの向こうへ声をかけた。
「失礼しますよ、グウェンダル」
そう声をかけながら入って来たのはギュンターだった。
王佐の彼がここへ来る事は珍しくはなかったが、今回は本来の仕事と無関係なのは一目瞭然だった。
「貴方の意見を聞かせてもらえませんか?」
真剣な顔でそう言いながら、持っていた物をグウェンダルに見せる。
「…それは?」
答えの想像はついたが、敢えて尋ねた。賢いキレ者の王佐は真顔のまま、グウェンダルの予想通りの答えを口にした。
「もちろん陛下の新しいお召し物です!」